機械部材・部品に用いられる材料に要求される性能は様々です。本研究室では金属(や合金、金属間化合物)、セラミックス、プラスチックに加え、これらの材料を巧みに組み合わせる複合化技術を駆使し、それぞれの材料単独では得られない特性を発現させ、多様なニーズに応える機械材料を創出すべく研究を行っています。特に普段の生活では考えられないような温度、圧力、雰囲気環境で用いることのできる極限構造材料の創出を目指しています。
具体的には、CMC(Ceramic Matrix Composites)と呼ばれる航空機ジェットエンジンのタービンブレード用材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と呼ばれる自動車・航空機・インフラ構造物に用いられる高性能・軽量材料の強度発現メカニズムや複雑怪奇な物理的損傷•破壊、化学的劣化の過程を定量的に理解し、社会実装を加速させるための研究を行っています。
極限環境では劣化現象だけでなく、強度をはじめとする特性を室温と同じように測定するのは困難です。本研究室では、実験技術・評価解析、複合材料の製造プロセスや複雑な破壊現象を理解するためのハイスループット計測、CAEによる応力•ひずみの解析や、画像処理、機械学習を活用すし、現象理解と物性、寿命予測の方法を確立することを目指しています。
既存材料の限界を超えた新規材料の創出を目指した基礎研究においては、既存の学問体系にとらわれない新たな取り組みが必要です。井上研究室では、計算熱力学を用いた材料設計、分子動力学(MD)や密度汎関数理論(DFT)を利用した解析によるデータベースの構築、流体力学と熱力学のマルチフィジックス解析によって材料を設計し、実際に創出するための基盤の構築を目指します。
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